AVR due to AR

術前チェック(いつも通りだが、ARに特化したものは以下の通り)

ARのetiology

・鬱血の程度 

体重の推移や画像での鬱血状態

・術前CT

AVRはAo切開をするので、冠動脈の起始異常がないかを見る。人工弁によって切開部位が異なる(Percevalか否か)ため、何の人工弁使用予定かチェックする。

・術前TTE  

狭小弁輪が疑われるか。STが狭くないか?たまに人工弁が通らないことがある。


手術手順

・サインアウト

・麻酔導入、TEE、必要なLine採り

・肩枕を入れて頸部進展

・CV挿入

・消毒

・布掛け

・心肺回路の受け取り

・タイムアウト

・皮切

・胸骨正中切開

この時、呼吸停止。間違ってPEEPがかからないように、回路を外すのが良い。開胸リスクがある。

・心膜切開、心膜つりあげ、ヘパリン化(当院では心膜切開の時に行っている)

・CO2チューブ 3L/min程度で送気する。

・大動脈テーピング

 RPAとの間を剥離して、強弯鉗子を通して、テーピングを行う。

・SVCテーピング  SCVとRPAの間を通す。

・AscAoに送血管挿入(必要ならばepiaortic echo)

血圧はsBP80mmHg前後とする。

送血管はできるだけ上の方が手術がやりやすいため、腕頭動脈分岐直前に入れている。大動脈の性状が悪い場合は、腕頭動脈分岐以遠に挿入することもある。これをArch送血という。

・RAに脱血管挿入

1本脱血の場合は、脱血管の側溝が入るまで入れるので、TEEでの深さは気にしなくてよい。術野で深さが決まる。Hepatic Veinに迷入していないことIVCに入っていることだけ確認。

・pump on

・左室ベント

・CSにレトロカニューレ挿入

・大動脈剥離 

通常、右冠動脈の2cm上で切開するので、そこまで剥離する。

AVRの場合はクランプはmain PAごと噛めば良いので、クランプ位置まで剥離する必要はない。

・大動脈遮断、Retro CP

大動脈遮断はmain PAと一緒に嚙んでいる。

・大動脈切開、視野を得るためにHead Up, selective CP 

epiaortic echoで石灰が無い箇所で切開を行うが、一般的には右冠動脈の2cm上で斜切開する。Percevalではステント長があるので、基部から4-5cmと切開部位が高く、横切開。基部に近づくほど視野は良いが閉創が難しくなる。LVベントを止めて大動脈を張らせて切開すると後壁を傷つけない。

・心停止を確認

・弁尖切除

・交連部3ヶ所に糸かけして(当院ではしていない)、弁輪部の視野展開をしながら、除石灰

除石灰により共通弁輪やバルサルバ洞に穿孔しないか、PVLの原因になりそうな石灰が残っていないか、状況を見る。

supra annularの場合は、弁輪上のフィッティングを良くするために弁輪上からバルサルバにかけての除石灰が重要になる。

Percevalの場合は、ステントが弁下で展開されるため、弁輪部から弁輪下の除石灰が重要となる。

・弁輪への糸かけ

左冠尖→右冠尖→無冠尖の順に糸かけをする。RN交連部直下は膜性中隔になっており、刺激伝導系が通っているため、術者はそこを傷つけないように気をつけて糸かけをしている。

各交連間、一般的には5-6針。3針でも良いとする報告もある。

視野を得るために、都度左右にベッドローテーションする。

・サイザーによるサイズチェック

intra-annularの場合は、弁輪への糸かけにより弁輪部が若干縫縮されることがあるため、糸かけ後にサイズチェックするのが良い。

PPMとならないサイズを選ぶ。

・人工弁のソーイングカフに糸かけ

・人工弁を大動脈弁輪に落とし込む

・糸を結紮し、人工弁を縫着

この時、冠動脈入口部を閉塞させてしまうことがある。直視で冠動脈入口部を確認できればよいが見えない時は、Retroで血液が流れ出てくることで確認可能となる。

結紮の時に、糸が切れてしまうことがある。intra-annularの場合はプレジェットが弁輪上にあるので回収は容易だが、supra-annularの場合はプレジェットが左室側のためホルダーを外し人工弁尖を展開して回収することになる。追加針は、人工弁口越しに左室側から弁輪、カフと糸をかける。機械弁では、人工弁越しに糸かけはできないため、すべての糸をはずしてやり直すこととなる。

intra-annular

supra-annular

・大動脈縫合

2層で行う。一層目は水平マットレス (snake)、二層目は連続縫合 (over&over)。大動脈性状が脆弱な場合は、フェルトで補強する。今回はroot ventを立てずに切開部からAirを排出するため、1層目、2層目共に糸を結ばずにターニケットに通して、ターニケットを緩めたり閉めたりすることで出血量(Airを出す)を調節した。
ASのAVRの場合は、最初にroot vent (anteCPに使用するため)が立っているので、Ao縫合は遮断前に全閉鎖となる。ASのAVRの時は、LV ventを止めた時点から左室が張らないかをTEEで観察する必要がある。

大動脈切開が基部に近い場合やPercevalでは、この縫合の際に人工弁やステントをひっかけてしまうことがある。

・LVベントストップ、ボリューム入れて、パフパフしてできる範囲で左室とAoにairを出す。Airは大動脈切開部より排出。

・Flow down. Head down. Ao declamp. 自己脈がなければVVI start.

・TEE評価 

Ao declampすれば還流圧がA弁にかかっているので、PVLはすぐに評価できる。

・呼吸再開し、一旦CPBからおろす。一通り評価する。

A弁の状態(弁葉の可動性、PVL、PERCEVALならばずれていないか)

左室壁運動

自己脈ならばブロックになっていないか。糸かけのときに、膜性中隔をひっかけるとブロックになる。

・評価が終わったら、再度CPB。

・retro抜去 

人工弁への再度介入が必要なければ、もう心停止をする必要がないので抜去

・左室ベント抜去

・大動脈閉鎖 

Airが抜き終わっていたら、切開部の2層縫合の糸を縛る。

・すべての縫合線の止血を確認

・Pump Off

・脱血管抜去

抜去前に必ず、左室の動きをチェックする。左室の動きが悪いなど懸念があれば、待ってもらう。

・プロタミンテスト

・バイタルが大丈夫ならば、プロタミン続き投与。 

この時にサッカーをすべて止めてもらう。

・送血管抜去

挿入時と同様、sBP 80mmHg前後とする。

・ひたすら止血

・心嚢、胸骨下、開胸ならば胸腔ドレーン挿入

・心嚢内を洗浄

・大動脈、無名静脈前面の心膜および脂肪織を縫合閉鎖

・胸骨閉鎖、皮膚縫合

・レントゲン

・大丈夫ならば抜管

・ICUへ。

ANESTH info

麻酔、主に心臓麻酔に関して、自分が学んだこと経験したことをシェアします。

0コメント

  • 1000 / 1000