TAVI
術者は画面に、エコー担当はエコーに集中しているので、麻酔科医はとにかくVitalに集中して、適宜術者に知らせる!これ重要!
現在(2020. 03. 30)、主に使用されているデバイスは以下のとおり。
1. コアバルブ Evolut PRO Evolute FX
自己拡張弁のため、rapid pacingの必要はない。ただし、リズムが一定で、血圧が安定している中での留置を行いたいため、PVCが出たり血圧が不安定な場合には、コントロールペーシングを行う。留置後、ゆっくりと血圧が上がってくるのが特徴。
2. エドワーズ サピエン3(経大腿システム)、(経心尖/経大動脈システム)
弁を拡張させるのにインフレーションが必要なため、rapid pacingを要する。留置後、すぐに血圧が跳ね上がる傾向あるため、こちらは、留置と共にNAをオフとする。
事前チェック項目
アクセスルート (一例)
デリバリーシステムのアクセス動脈ルート (Rt-FA)
造影カテーテルの動脈ルート (Lt-FA 6Fr)
経静脈ペーシングリードの静脈ルート(Lt-FV 5Fr) (R-ICV 5Fr)
ペーシングリード挿入の動画 (一番最後に貼付)
ABI
coronary hight
ASの程度:A弁通過速度、maxPG、心筋肥大
準備(全身麻酔)
TEE(忘れずに!!), ペースメーカー、DC(パッドを事前に貼付する)
鎮静:Prop or MDZ
鎮痛:フェンタニル 2-3mlで十分
筋弛緩:ロクロニウム, ロクロニウムの持続をしても良い。
昇圧剤:NA(1A / 50ml)、エフェドリン、ネオシネジン
ASなので、導入および導入後の血圧低下に注意!
降圧剤:ニカルジピン shot用(薄めで2mg/20ml), 持続用(原液1mg/ml)
弁留置後に今まであった圧較差がsBPに上乗せになることを考えて、必ず準備する。
輸液 前負荷をかけるので、すぐになくなる。すぐになくなるので、必ず手元に置いておく。
ローカルルール 抗生剤、ファモチジン
準備(局所麻酔)
TTE, ペースメーカー、DC(パッドを事前に貼付する)
鎮静:プレゼデックス 200μg/50ml(肝機能低下で半減期が延長し、肝機能低下患者群の方が健常群よりも有害事象の発生率が高いため、肝機能障害がある患者では一層の注意が必要。腎機能低下では薬物動態パラメータは健常群との差を認めないが、鎮静作用が強くなる傾向が認められた。その他の鎮静剤や鎮痛剤の薬物動態への相互作用はないが、作用はそれぞれ増強する。ロクロニウムの増強作用はない。)
鎮痛:フェンタニル 10mlを準備(呼吸回数を参考に適宜使用する)、ナロキソン
昇圧剤:NA(1A / 50ml)、エフェドリン、ネオシネジン
ASなので、導入および導入後の血圧低下に注意!
降圧剤:ニカルジピン shot用(薄めで2mg/20ml), 持続用(原液1mg/ml)
弁留置後に今まであった圧較差がsBPに上乗せになることを考えて、必ず準備する。
輸液 全身麻酔のような血管拡張を伴わないので、輸液全開ということはない。
ローカルルール 抗生剤、ファモチジン
LINE類(一例)
V2本(1本は病棟から、もう1本は導入後)
A1本
coronary protectionをする場合、右radial A (or FA)からカテーテルが入るため、できれば右腕はfreeとしたい。
手順
導入(全麻) NA 10ml/hr + Prop + fentanyl 1A + Rbで、キシロカインスプレー後に挿管。
鎮静(局麻) 入室したら、すぐにプレセデックスを開始する。1.5ml/kg/hr (6μg/kg/hr)で10分間。フェンタニル2-3ml投与。その間に、A-lineとV-lineを採る。初期負荷投与中に一過性の血圧上昇が見られた場合は、初期負荷速度を下げることを考慮するが、ASなので高くても問題にならないことが多い。プレセデックスは、10分後に1/10の速度 (0.6μg/kg/hr)とする。添付文書上、維持開始速度は0.4μg/kg/hrで、投与rangeは0.2 - 0.7μg/kg/hrなので、適宜減量する。手技開始前までに更にフェンタニルを追加。呼吸が止まらないように注意する。TAVIシースが刺激が強く動きやすいので、TAVIシース前に呼吸数が7-8回になる位にフェンタニルを入れておくとGood! その後、フェンタニルの追加投与は不要なことが多い。
ペーシングリード留置 Vシース(Lt-FV 5Fr) からRVペーシングリード留置。
VVIで閾値チェック HRを自己脈よりも多く設定。Evolute Proの場合は、留置時にHR100でコントロールペーシングを行うので、この時点でHR100にしてしまう。そのことで、コントロールペーシング時の血圧低下がどの程度か予測がつく。どちらの弁を使用するにしても、中途半端に自己レートよりも早いだけだと、ペーシングの途中で自己脈が入り込んでしまう。自己脈よりもしっかりと多めのレートで打つ。4V辺りから、徐々に閾値を下げて行く。「1対1で乗っています。3V、2V、1V、0.7Vで落ちます。」みたいな掛け声をかける。閾値≦ 1Vで乗ることをチェック。その後はBack Up Pacingとする(自己脈よりも遅く)。刺激出力はMaxにしておく。
造影カテーテル留置 Aシース(Lt-FA 6Fr) より、造影カテーテルをValsalvaに留置。
TAVI挿入シース留置(Rt-FA)
このシースが入ったら、ヘパリン化。ACT>250secを目指すが、ACTを測定中に手技が終わってしまうので、多めに入れる。ヘパリン8ml程。
Wire Cross
この後、baloonやvalveを通した時に、弁口面積が狭くなって血圧が落ちるので、sBP120mmHgくらいまで上げ始める。
BAV(Balloon Aortic Valveloplasty) をする場合
弁形成術用バルーンを留置。
術者:lung down
麻酔科:lung down
術者:pacer on
麻酔科:pacer on
rapid pacing HR 180で開始。1:1で乗っていることを確認する。
目標は、平均血圧 < 50mmHg, 脈圧 < 10mmHg。目標に達しない場合は、HRを上げて行く。
1:2などで一部しか乗らない場合は、HRを下げていき、1:1となった時点で以下の目標VitalになるまでHRを上げていく。(始めは乗らなくても、一度捕まえてからHRを上げると追随する。)
とにかく押し続ける。手を離すとrapid pacingは止まってしまうので注意!
目標値に達したら、
麻酔科:バルーン拡張どうぞ。
バルーンが拡張して、収縮する。完全に収縮したら、
術者:pacer off
麻酔科:pacer off
術者に言われるまで、rapid pacingを止めてはダメ!!
BAVをすると、弁口面積が大きくなるので、BP⤴️。
rapid pacing後に自己脈の出現が遅かったり徐脈だったりしたら、すぐにHR70-80程度でペーシングする。
デリバリーカテーテルシステム挿入
太いので、痛くて血圧が上がるが、すぐに刺激は収まるので待っていて大丈夫。Rbだけ追加しておいた方が無難かも。
弁留置
Evolute Pro, FXの場合
・自己拡張弁なので、rapid pacingは要らない。ただし、弁留置時に少しはOutputを落としたい、リズム一定・血圧安定していて欲しいので、不整脈が出る場合や血圧が不安定な場合は、コントロールペーシング。HR 100程度。自己脈やPVCやPACが途中で入ってしまう場合は、術者に報告して、少しrateを早くする。先日の症例では、120とした。
・途中、人工弁がワークしなくて脈圧がなくなる時間がある。先端がnode0 - マーカー下端がnode10で、node5-8位の間 脈圧がなくなる。横線は薄くて麻酔科からは良く見えないので、おおよそハットマーカーが真ん中から3/4にいる間は脈圧は出ないと思っておけばよい。ハットマーカーが完全に上がり切ってしまうと、リシースできなくなるので、少し隙間がある段階で、評価を行う。
評価内容は、位置。麻酔科はcAVBになっていないかを見る。cAVBの場合は、位置を上げることを考慮する。
cAVBは、心室補充調律の場合はwideQRS, 接合部補充調律の場合はnarrowQRSとなる。narrowのcAVBがあることに注意!!
弁留置後、緩やかに血圧が上がってくる。血圧が低くても少し待ってみるのがコツ。ここで慌てて昇圧剤を入れると、バカ上がりしてしまう。
また、弁留置後の脈を気にする。自己脈かどうかお知らせする。
コアバルブの場合、後からブロックになったりするので、ペーシングリードはお持ち帰りすることが多い。
サピエン3の場合
弁留置にインフレーションが必要なため、rapid pacingを行う。
術者:lung down
麻酔科:lung down
術者:pacer on
麻酔科:pacer on
rapid pacing HR 180で開始。押し続ける。手を離すとrapid pacingは止まってしまうので注意!
目標は、平均血圧 < 50mmHg, 脈圧 < 10mmHg。目標に達しない場合は、HRを上げて行く。
目標値に達したら、
麻酔科:どうぞ。
バルーンが拡張して、収縮する。完全に収縮したら、
術者:pacer off
麻酔科:pacer off
術者に言われるまで、rapid pacingを止めてはダメ!!
rapid pacing off後の脈や血圧をお知らせする。自己脈の出現が遅かったり、徐脈の場合は、ペーシングする。
例)自己脈HR50です。1度AV blockです。Vfです。血圧上がってきましたなど。
サピエン3の場合、deploy後に急激に血圧が上がるため、留置と共にNAをoffにする。そして、ニカルジピンを用意しておく。ニカルジピン少しのショットで血圧がかなり下がるので、0.1mg/mlと10倍希釈にすることがおすすめ。
弁留置後
血圧の上がり過ぎは、弁輪部破裂のリスクになるので、血圧が下がっているときは、慌てずに少し待ったり、ネオシネジンを投与するとしても少量とする。
ブロックになっていないか?(wide QRS)
後拡張
PVLが多い場合など、後拡張が必要な場合は、Balloonを膨らませるので、またrapid pacingを行う。
プロタミンでリバース
ヘパリンよりも少なくて大丈夫。
術後指示
症例1 sBP<130, Hb>10, アスピリン単剤
不整脈
頻脈性の不整脈の場合
1. ペースメーカー誤作動との鑑別が必要。どこか1箇所コネクターを外してみる。
2. ペースメーカーが入っているので、Overdrive Pacingを行う。HR160で打って、ペーシングに乗せる。そこから徐々にHRを落としていくと、良いHRで落ち着く。
Coronary Hightが低くて、Coronaryが塞がれてしまうことが予測される場合
Coronary Protectionを行う。その場合のアクセスは、右radial AがFirst choiceとなる。
Alternative Approach
・SCA-TAVI
・TA-TAVI
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