MICS AVR (AS)

準備

薬剤はいつも通り。

ダブルルーメンチューブと気管支ファイバー。


注意点

右第3肋間あたりからのアプローチになるため、体位が左側臥位となる。

右腕をスポンジでグルグル巻きにするため、LINE類は出来るだけ左腕で採ることにしている。


手順

導入はASに準じる。ダブルルーメンチューブ左用を挿入。右肺が脱気されやすいように、挿管後も純酸素のままとするか、笑気を混合する。空気を使わない方が虚脱が容易に得られる。

TEE挿入。

枕は背骨に沿って、縦に入れる。

CV類を挿入。肋間アプローチとなるので、CV類を覆うテガダームが鎖骨間にかかってしまっても大丈夫。

チューブ位置の最終確認。

胸部手術開始前に片肺換気とする。

TEEにて確認

 一式確認するが、特に

・弁輪径、Valsalva、STJ、Asc Ao径を確認。狭小弁輪ではないですか?

 EAOI>0.85cm2/m2の弁が入りますか?

 生体弁では、

 BSA<1.6m2 : 19mm以上

 BSA1.6−1.8m2:21mm以上

 BSA≧1.8m2 : 23mm以上


 INSPIRIS

ON-X


・冠動脈起始異常はないですか?高いとAo横切開で切ってしまうことがある。通常のAVRでは、右冠動脈2㎝頭側を切開するが、MICSの場合は最初は見えないので、少し側面の切開を入れて、中から右冠動脈の起始部を見ながら引き続き切開を広げる。

・ARの程度。最初にAnte CPとするから。


執刀

一般的なのは、FAとFVの確保。FVにワイヤーを入れる時にヘパリン化する。

ヘパリン化

FVより脱血管:TEEでガイドする。Bi-Caval Viewを出して、SVCにガイドワイヤーが入るのを見る。ヘパリン投与2分後に脱血管が入る。脱血管先端がSVCに5-6cm程入るくらいまで進めてもらう。本来は、2-3cmあれば十分だが、深い分には抜くのは簡単。浅いと進める時に台レーターを入れなくてはいけないので、浅いことが無いようにガイドする!!

脱血管は中隔方向に進みやすい。中隔を突いている場合は、すぐにお知らせする。破れないように!その場合、一度ワイヤーを抜いて、RAに術者が指を突っ込んでガイドすることがある。

FAより送血管:TEEでガイドワイヤーだけ確認する。下行大動脈にガイドワイヤーがいることを確認する。管自体は短いので、見えない。Ao送血管と違って、血圧を落とす必要はない。

Pump ON:血圧とフローを確認。フルフローになったら、呼吸止め&NO止め&輸液止め。

同時に胸部からアクセスする。胸部手術の時には、片肺換気とする。既にpump onしている場合は、右を解放して、呼吸どめをしておく。

心膜切開

RUPVよりLV VENT挿入:左室ベント。いつも通りTEEにて確認。

Ao Clamp & Ante CP:これは、TEEガイドではない。すぐにAnte CPが行くので、LAXでARおよび左室の大きさを確認。左室の大きさが分かりにくければ、短軸でもOK。心電図でArrestになっていることを確認。Arrestにならない時は、Ao clampが甘い可能性、左室に逃げている可能性がある。ARがある場合、ここでventを効かせていると、CPがLVに逃げてしまってcoronaryへ行かないので、少しLVが張るくらいは様子見。

Ao 切開 

 Inspiris :人工弁に高さはないので、右冠動脈よりも1cm末梢側のAoを切開。 

 PERCEVAL: ステント長があるので、基部よりも4-5cm頭側の鉢巻きの位置で横切開。それよりも心臓側で切開すると、ステントが邪魔でAo閉鎖が困難となる。大動脈遮断解除後に人工弁がずれることがあるので注意が必要。


A弁観察 

A弁切除 

インスピリス:弁輪糸かけ 弁のカフに糸かけ 弁の落とし込み。

PERCEVAL:ガイドスーチャーをN, R, Lの弁輪部にかけて、弁を展開する。

大動脈閉創 

pace makerの電極が下りてくる。繋ぐが、Ao declampまではpacerは始めない。

CPBからVolume1回目:止血確認をする

ルートオープン、ボリューム:Air抜きなので、麻酔科はパフパフする。

Ao declamp

Pacer ON

Pacerに乗っているかチェック。最初はHR少なめの設定 (40位)。その後、HRを上げて行く(60 - 70)。

A paceで、1度AV blockの場合、HRを上げすぎるとVが付いて来れないので、HRを急いで上げなくて良い。ゆっくりと上げて、HR少なめで打つようにする。

呼吸再開と共にNOも再開する。20ppm。

TEEでチェック A弁の状態、PVLがない?MRはどう?心臓の動き。

                           Airのチェック

CPB離脱 単弁の場合は、残血が殆どないように入れ切りたい。リザーバー量を常に気にする。血圧が高いと返血できない。CPB側は、血圧を元に、返血していく。

ASの場合は、Volumeをこの後入れることができる。

一例 通常、ASは後負荷につよいので使うとしたらNAであることが教科書的だが、NOMIを防ぎたい場合等は、DOBとニカルジピンという組み合わせもある。ただし、SAMのリスクがある場合や不整脈が出る場合は、DOBは使いにくい。

降圧剤

ニカルジピンは動脈系を開く。

ニトログリセリン(ミリスロール)は静脈系を開く。

ボリュームとしては、A:V =1:5。

その他の薬剤の注意点

適宜カルチコールを追加するが、NS100mlなどに混合してドリップした方がよい。Spasmを起すことがある。






ANESTH info

麻酔、主に心臓麻酔に関して、自分が学んだこと経験したことをシェアします。

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